柔道整復師、整体師、鍼灸師の業界でクドケンさんを知らない人はいないだろう。
もはや我々の業界に絶大な権力を持っているといっても過言ではない会社、
クドケン。
僕は正直この会社は本当にスゴいと思っている。
メルマガでタダで本当に優良の情報を得させてもらっているし、
クドケンさんのメルマガは有料でもいいと思っている。
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クドケンさんが治療家にオススメした本を読んだので紹介します
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だけど、一つだけどうしても気になることがある。
ゴットハンド通信というクドケンさんが出しているメルマガ。
この中でガンを治せる治療法とうたって宣伝を出したのだ。
これだけは絶対にやってはいけない。
誰がなんと言おうと絶対にだ。
本当にクドケンさんの情報は質がいいのに、
これだけが残念で仕方がない。
だからこそモノ申したくて文章にした。
こんなまがい物の情報を、
多大な影響力の持つクドケンさんがやってはいけないのだ。
柔道整復師、整体師10年の業界の経験を持ち、
ガンで親戚を2人もなくしている僕が思うことを書く。
クドケンのゴットハンド通信に思うこと
クドケンが出したガンが治せる手技治療法とは
なぜガンが治せる手技治療法を宣伝してはいけないのか
ガン患者とその親族の闘病生活の実態
悪気がないことが真の悪
まとめ
クドケンが出したガンが治せる手技治療法とは
ゴットハンド通信というのをご存知だろうか?
株式会社クドケンが出している、
自称ゴットハンドの手技治療家達の治療法を紹介しているメールマガジンだ。
9月9日、
クドケンはゴッドハンド通信にてこのようなメールを出した。
余命3日の末期ガンが延命に成功した奇跡の治療法。
人間のもつエネルギーにより、
改善不可能と言われた数々の難病を、
気功による施術で改善した実績を持つ。
改善した症例こちら。
余命3日の不治の病である甲状腺未分化ガンが改善され、
3ヶ月半の延命に成功した。
末期のすい臓ガンを克服した。
肺がんが消失した。
癌の進行が止まり、
抗がん剤の副作用が軽くなった。
などだ。
この文章はメルマガよりそのまま抜粋している。
信じられるだろうか??
ガンが治せる治療法とうたって宣伝している!!
こんなことは手技治療家としても、
手技治療に関わるマーケティング会社でも絶対にやってはいけない。
なぜやってはいけないのか??
それはこの宣伝によって、
ガンの患者さんを死に追い込む可能性があるからだ。
なぜガンが治せる手技治療法を宣伝してはいけないのか
まずは広告規制の問題だ。
日本国はガンに対しての広告を規制している。
以前にもガンに効く、
がん細胞が死滅する、
などとして製品を販売していた健康食品の会社が実際に逮捕されている。
病院などで医者が処方される製品以外を、
広告するのは明確に法律で規制されているのだ。
医療従事者に関わる人でマーケティングに関わる人なら当然知っていることだろうし、
医療従事者であれば言語道断だ。
これは手技による治療法だからその法律は規制されないなどという理屈は通らない、
などと言うかもしれないが、、。
誤った知識がついてしまう可能性がある
もう一つがガンの患者さんに対して誤った知識を与えてしまう恐れがあること。
僕はこれが一番の問題だと思っている。
もう一度メルマガに書かれていた文章を見てみてほしい。
明らかにこの治療法だけによりガンが改善した、
と思わせる文章になっている。
この膵臓ガンが治った患者さんは、
他にも病院で治療を受けており、
それのおかげで治った可能性もある。
そういったことを全く書かずに、
この治療法だけで治りました!!
という書き方をしているのだ。
明らかにこれはひどすぎる。
ガンに対しての治療法は、
病院での既存の治療法が全てだ。
断じて代替療法は存在しない。
アップルの創始者、
スティーブ・ジョブズは2003年に膵臓がんが判明した。
幸いにも症状は治療することが可能な症例だったため、
医者は手術をすすめたがこれを拒否。
菜食、ハーブ、心霊療法などの代替療法に手を出した。
その結果初期に病院で治療を受けていれば治ったかもしれないガンが全身にまわり、
手遅れの状態となって最後を迎えた。
この判断をスティーブ・ジョブズは間違っていたと認め、
相当の後悔をしたという。
世界を変えるほどのイノベーションを与えた男を、
代替療法が死に追い込んだのだ。
既存の病院での治療法で治らないガンが、
気の力なんかで治るわけがない。
気の力でガンが全て治った。
なんてのは絶対に書いてはいけないのだ。
これにより我々の業界の評判がまた悪くなった。
ガン患者とその親族の闘病生活の実態
僕はガン家系に生まれた。
おじさんとおばさんがガンで死んだ。
どちらも若くしてなくなった。
小さい子供を何人も残し死んだ。
とても悔いが残ったと思う。
死んでも死にきれない気持ちだっただろう。
おじさんは膵臓がんだった。
末期になった時、
彼は車を買い換えるといった。
彼の家族は5人家族なのに、
5人乗りの車から維持費の安い軽自動車に変えると。
自分の死を完全に覚悟していた。
婆さんの狂乱
おじさんの膵臓がんが末期の時、
数年前に妹をガンで亡くしている婆さんの精神状態は凄まじかった。
ガンに関しての情報を集めまくり、
怪しい健康食品や治療法などにガンガン金をつぎ込んだ。
わけのわからない健康食品に、
平気で1万や2万の金を払いまくった。
婆さんが金を使いまくるのを見たおじさんは、
もうムダに金を使いまくるのはやめてくれ、
と婆さんに懇願した。
よほど見るに耐えなかったのだろう。
僕はその時、
あまりお見舞いなどに行くことができなかった。
死を前にした人と話す言葉が見つからなかったからだ。
おじさんが膵臓がんで死んだ葬式の日。
婆さんに大丈夫かと聞いた。
婆さんは一言、
大丈夫 私は慣れているから、
と言った。
それきり何もしゃべらなかった。
こんなに悲しい言葉は聞いたことがなかった。
僕が書いたことよりもっと凄まじいことが、
ガンになった家族の中で起きているのだろう。
末期ガンの患者さんと家族さんたちは、
本当に切実な状況に追い込まれる。
常に必死だ。
助かるために必死になって情報を集める。
こういう人たちがこんなメルマガを読んだら、
もしくはこの治療法を勉強した人たちに、
ガンが治る治療法です、
などと言われたら、
飛びつく人は必ずいるだろう。
そしてその人達は医学的根拠が全く無い、
気功とかいうわけのわからん治療法に大金を払うことになる。
こんなクソみたいな広告を出し、
医学的根拠が皆無の治療法を売ってお金を稼ぐなんてことは人として終わっている。
ガンを抱えている切実な人たちから根拠のない治療法を売り、
お金を稼ぐなんてことは鬼畜の所業なのだ。
悪気がないことが真の悪
僕はこの治療法を売ってる人のホームページを見た。
あえて名前は書かないが、
横浜で気功によりガンを治すというホームページを出している人、
といえばすぐにわかるだろう。
気功でガンでも子宮筋腫でもなんでも治る、
97%が改善するとメチャクチャな広告をしている。
正確な数字を出さずに97%とだけ出している。
改善も便利な言葉だ。
そして卑怯な言葉でもある。
ちょっとでも痛みが和らげば、
気持ちがよくなれば、
それは改善なのだろう。
この先生は本気でこの治療をやっているのだ。
罪の意識がなく自信満々でガンを治せると信じ、
根拠のない治療を売る。
実はこれこそが真の悪だ。
この気功で治ったなどという人のコメントもあるが、
まずプラセボ効果だろう。
小麦粉を薬と言って飲ませているのと同じだ。
もしくは同時にやっていた病院での治療の効果が出たのだ。
もし本当に気功で治せることができるのであれば、
膵臓がんを治すことができる治療なのであれば、
第一にやることはメルマガで治療法を売るなんていうことではない。
気功の効果を根拠のあるデータとして集め、
医療機関などに提出し、
正式な治療として認めてもらうよう活動するべきだ。
そして保険適用にし、
多くの人を救えるように活動するべきなのだ。
根拠のあるデータなんか出るわけがないが。。
医療とはデータだ。
医学的根拠があり、
なぜ治るのか説明できる根拠がなければ、
そんなものは医療ではない。
まとめ
繰り返すが僕はクドケンさんのことを本当にスゴいと思っている。
マーケティングと治療の両方をやっていきましょうという提案は、
僕の軸になっている。
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クドケンさんが治療家にオススメした本を読んだので紹介します
それだけに残念だ。
クドケンさんの会社はめちゃくちゃでかくなっているし、
これからもどんどん成長していくだろう。
そんな影響力のある会社がこんなクソみたいな広告をだし、
間違った知識を与えてしまうような治療法を宣伝し、
あまつさえ代替療法に手を出して死を迎える人が出てしまうような、
そんなメルマガは絶対に出すべきではない。
このメルマガによって我々の業界はまたうさんくさい、
怪しい業界だと思われることになるだろう。
心から願う。
人を死に追い込む可能性があるようなメルマガをクドケンさんが出さないようにと。